関口事務局長とmigak Character

INTERVIEW

実証を経て、本格実施へ。
AIキャラクターが
公共窓口にもたらした変化

区との実証を経て、2026年4月よりセンター財源による本格実施へ

関口様

関口様

墨田区シルバー人材センター 事務局長

墨田区の福祉保健部長を経て現職。高齢者のQOL向上とデジタル活用を推進し、migak Characterの導入を主導。

墨田区シルバー人材センターは、約1,500名の会員を擁し、高齢者の就業支援と社会参加を推進する地域の拠点です。

2025年10月より対話型AIキャラクター「migak Character」を導入し、入会説明や仮登録の支援を開始。区との実証期間を経て、2026年4月からはセンター独自の財源で本格実施に移行しました。

事務局長の関口様に、導入前の課題から現場で起きた変化、そして今後の展望までお話を伺いました。

導入前の課題

関口様は、取り組みを始める前に感じていた課題について、次のように語ります。

「高齢者がデジタル社会の中で取り残されているだろうということが、一つ課題としてありました。AIがどんどん進んできている中で、それを気づかないうちに、自分の生活の向上につなげていければいいんじゃないかなと。」

さらに、センター運営における具体的な課題も明確でした。

  • 1,500人の会員登録に対し、就業できているのは約900人。特に新規入会者がすぐに仕事に就けないマッチングの課題
  • 職員1人が把握できる会員情報は約200人分。横断的な推薦や情報共有が難しい属人化の課題
  • 入会には仮登録と説明会で最低2回の来所が必要。遠方の方が諦めてしまう入会導線のハードル
「新規で入ってきた人がすぐに仕事を紹介してもらえなかったり、自分がやりたい仕事が見つからないというのが一番の課題かなと。」

導入のきっかけ

関口様は、墨田区の福祉保健部長時代にmigak Characterのデモに触れ、高齢者施設での活用可能性を感じていました。

「高齢者施設などで対話型AIキャラクターを使うと、高齢者のQOLが良くなるかなと思ったんです。高齢者が日常的に通う場にこういうものが置いてあれば、会話をしたり、分からないことを答えてくれたり、そういう使い方ができるなと。」

しかし行政内での導入は時期尚早とされ、実現には至りませんでした。その後シルバー人材センターに着任し、センターの業務課題とmigak Characterの可能性が結びつきます。

限られた予算の中、区の補助金を活用した5ヶ月間の実証という形でスタート。成果報告を条件に、区との調整を経て導入が実現しました。

墨田区シルバー人材センター 外観
墨田区シルバー人材センター

取り組み内容

導入したのは、migak Characterによる就業案内仮登録の説明入会説明会の支援です。

来訪者はmigak Characterとの対話を通じて、シルバー人材センターの仕組みを理解し、仮登録の手続きに進むことができます。従来は月2回の合同説明会への参加が必須でしたが、migak Characterによる説明を受けることで、その場で入会まで完了できるケースも生まれました。

導入のポイント

  • 仮登録・入会説明をmigak Characterが対話形式で実施
  • 制度変更時はテキスト修正で即座に説明内容を更新可能
  • 職員の新人研修ツールとしても活用
会員の方がmigak Characterと対話している様子
migak Character と対話する会員の方

現場の変化

来訪者・会員の変化

導入当初、会員の方々はmigak Characterとの会話を楽しみ、物珍しさから積極的に話しかける姿が見られました。その後、存在が当たり前になるにつれ日常的な風景に溶け込んでいきました。

「入会説明をAIで行えるようになったことで、その場で会員登録まで進めるケースも出てきました。会員さんも満足して帰れる導線ができたというところですね。」

職員側の変化

一方、職員の反応には興味深い変化がありました。

「当初職員の方は『どうしてこれがあるの』というところから入ってきたので、あまり関心もなく、むしろコストに見合うのかという疑問もあったんですけれども。そこから入会説明会で活用ができるとか、随時入会がここで可能になるとか、だんだん職員にとってのメリットも見えてきました。」

想定と違ったが、むしろ価値が見えた点

当初は、会員本人がAIと対話して雑談や仕事のレコメンドを受けるだけの想定でした。しかし実際には、別の使い方に価値が見出されます。

「逆に我々職員からすると、就業情報から会員さんをピックアップしていく、抽出していくという方に使い勝手があるだろうと。」

また、従来の説明動画と比較した柔軟性も評価されています。

「制度が変わったりすると動画はもう使えなくなってしまう。でもテキストを書き換えることで説明がすぐに変えられる。あまりコストをかけずに、今に合わせた説明ができるのは大きいですね。」
インタビュー中の関口様
取材に応じる事務局長の関口様

「人とつながる場」としてのセンター

関口様の言葉の中で最も印象的だったのは、シルバー人材センターの本質的な役割についての思いでした。

「シルバー人材センターって、ただ単に会員登録をしてお仕事を紹介してもらう場所としか思われていないところもあって。そうではなく、ここに来ることが楽しかったり、人とつながっていることが生きがいにつながっていったり。高齢になっても仕事を続けながら人とつながって、社会とつながっていく。それがこのセンターの本来的なミッションじゃないかなと思っているんです。」

墨田区シルバー人材センター 事務局長 関口様

この思いは、migak Characterの位置づけにもつながります。

「AIキャラクターがセンターのアイコン的な存在として、ここにいることで、会員さんが来て会話をして楽しんでもらったり、職員の働きがいにつながったり。そういうものになれるといいなと。」

さらに、高齢者向けの窓口や地域サービスにおけるmigak Characterの可能性についても、独自の視点を語ってくださいました。

「人間相手だと無駄話はなかなかできない。役所の窓口に行っていきなり無駄口は聞けないですし。でも対話キャラクターを使う分には無駄口も聞けるし、時間もたっぷり使える。その余白が、高齢者の楽しさにつながってくると思うんです。」

今後の展望

4月からの本格実施を控え、関口様はさらなる活用の可能性を見据えています。

就業案内の進化

現在は紙の貼り出ししかない就業情報を、画像や動画とキャラクターを連動させ、仕事内容をより具体的に伝える仕組みへ。

職員研修への活用

新人職員やアルバイトスタッフが、migak Characterの説明を通じて業務内容を学ぶ研修ツールとしての活用。

個室での対話活用

プライバシーに配慮した個室環境で、会員の認知機能評価や個別の就業相談への応用。

大学・民間連携

大学や認知症判定アプリ開発企業との協業など、外部パートナーとの新たな展開。

「あそこに行けばハナちゃんがいて、シルバー君がいて。説明もしてくれるし、一緒に運動や歌もできる。キャラクターが会員さんのコンパニオンになる。そういうものができてくるといいなと思いますね。」

導入を検討している団体へ

最後に、同様の取り組みを検討している自治体や施設へのメッセージを伺いました。

「気長にやることが大事かなと。時にはうまくいかないこともあるけど、すごい勢いで進歩している分野なので、一緒に作っていく姿勢が大切です。最初の想定とは違う使い方に価値が見えてくる、そんなことがたくさんありました。決めつけずに、いろいろ試してみることが重要なんです。理想は、自然にAIが解け込んでいる世界。本当にそこに誰かいるんじゃないのって思えるような存在を、一緒に目指していきたいですね。」

インタビュー実施日:2026年3月24日

お話:墨田区シルバー人材センター 事務局長 関口様

聞き手:migak LLC

migak Character
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