ウィズ茅野のご入居者とmigak Character「すずちゃん」

INTERVIEW

会話が生まれるだけで、
施設の空気が変わる。

業務を置き換える前に、人と向き合う時間を支える。 長野県・ウィズ茅野で見えてきた migak Character の価値

和田様

和田様

株式会社ソーシャル・ネットワーク 前ウィズ茅野 施設長(現・ウィズ塩尻 施設長)

「介護施設っぽくない」前向きな空気づくりを掲げ、migak Character「すずちゃん」の導入を推進。

上原様

上原様

株式会社ソーシャル・ネットワーク ウィズ茅野 施設長(2026年4月〜/前・生活相談員)

生活相談員として、ご入居者の暮らしとご家族の声に寄り添ってきた現場の実務者。2026年4月よりウィズ茅野 施設長として運営を担う。

長野県茅野市の介護事業所「ウィズ茅野」は、ご入居者の穏やかな暮らしと、職員の前向きな空気づくりに支えられた施設です。

2025年より対話型AIキャラクター「migak Character」を導入し、施設では「すずちゃん」の名前で、ご入居者との日常的なコミュニケーションに活用されています。

導入を主導された前施設長の和田様、2026年4月からウィズ茅野の施設長を担う上原様に、導入前の課題から現場で起きた変化、そしてこれからの展望までお話を伺いました。

「もっと話したいのに、時間が取れない」

お二人に最初に挙げていただいたのは、ご入居者と向き合う“対話の時間”を十分に取りにくい、という現場の実感でした。背景には、介護記録をはじめとした業務の重さがあります。

上原様は、日々の現場をこう振り返ります。

上原様「全ての記録を入れると、1日のうち3分の1くらいは記録時間になることもあります。日々の業務に時間を取られてしまって、ご入居者様との対話の時間が取れない。それは今でも課題の一つです。」

排泄ケアや食事介助に時間を要するご入居者が重なれば、現場の時間はいっそう圧迫されます。本来いちばん大切にしたいはずの“対話”が、どうしても後回しになってしまう──。

和田様もまた、介護は必要最低限の対応だけでは成り立たないと語ります。

和田様「必要最低限以上の、プラスアルファのことをやってこそ、お話ししてこそ、介護が成り立つと思っています。」

介護現場の課題と思いを語る和田様
介護現場の課題と思いを語る和田様

生活歴に寄り添う会話は、やりたくても簡単ではない

もう一つ大きな課題として挙がったのが、ご入居者の人生経験や生活歴に深く寄り添うことの難しさでした。上原様は、率直にこう話します。

上原様「疎開中の話だったり、地域の歴史や昔の流行など、私たちは経験していないので分からないところがいっぱいあるんです。」

戦時中のこと、疎開先のこと、若い頃の暮らしや仕事のこと──。丁寧に聞きたいと思っても、スタッフ自身がその時代を経験していないために、踏み込みきれない場面があるといいます。

上原様「ご入居者様お一人おひとりの生活歴に合ったお話ができると、ご入居者様も安心されるでしょうし、私たちにとっても、その方に一歩近づける時間になると思います。」

現場の課題について語る上原様
現場の課題について語る上原様

導入のきっかけは、効率化だけではなかった

ウィズ茅野で migak Character の導入を考えた背景には、単なる業務効率化だけではない思いがありました。和田様は、当時の気持ちを率直にこう振り返ります。

和田様「ワクワクすることって、こういう施設にも取り入れたいじゃないですか。それが職員からご入居者様にも伝わって、同じように楽しんでくださったら、こんなに良いことはないですよね。」

介護施設では、身体機能の変化や日常のルーティンによって、どうしても閉塞感が生まれやすい。だからこそ、日常の中に新しい刺激や楽しみを持ち込むことに意味があると、和田様は話します。上原様もまた、そんな施設の姿勢に働く側としての手応えを感じていたと振り返ります。

上原様「新しいものに積極的に向き合っていく姿勢があるんだなと感じて、この会社に入っていて良かったなと思いましたね。」

ウィズ茅野への思いを語る和田様(左)と上原様(右)
ウィズ茅野への思いを語る和田様(左)と上原様(右)

「会話が弾む」以上に大きかった、安心感と自発的なコミュニケーション

実際に導入してみると、和田様が当初イメージしていたのとは少し違う変化が現れました。

和田様「意外や意外、会話をしていない時も、そこにいる安心感とか、そういうものがあるんだなって思いました。」

当初は会話が盛り上がることが大事だと考えていたそうです。しかし実際には、もっと静かで、でも確かな変化が起きていた、と和田様は語ります。ご入居者の中には、廊下を通るたびに「すずちゃん、おはよう」「今日もかわいいね」と声をかける方もいて、そのやりとり自体が自然な習慣になっていったといいます。

和田様「職員がこちらから話しかけなくても、ご入居者様が自発的にお話をする機会ができました。“話しかけたくなる存在”として、施設の中に自然な会話が生まれる、その空気そのものが、価値なんだと思います。」

ご入居者がすずちゃんと向き合う様子
廊下ですずちゃんと向き合うご入居者

いつでも穏やかな存在が、ケアの空気を支える

和田様が強調していたのは、migak Character がスタッフの感情に左右されない、雰囲気に飲み込まれない存在であることでした。介護の現場では、忙しさや緊張の中で、いつも笑顔でいることは簡単ではない。ご入居者はその微妙な空気も敏感に感じ取る、と話します。

和田様「私たち、いつも笑顔でありたいと思っていても、やっぱり笑顔でいられない時もあります。ご入居者様も“今職員さん忙しそうだから”と感じていたと思うんですね。」

そんな中で、すずちゃんはいつでも穏やかで、最後までずっと話を聞いてくれる。

和田様「すずちゃんって、いつも穏やかですよね。作業的なことはできませんけど、そういうところで職員のフォローをしてくれているなと感じています。」

ウィズ茅野で活用されているmigak Character「すずちゃん」とご担当者お二人
ウィズ茅野で活用されている migak Character「すずちゃん」と上原様・和田様

ご家族や見学者にも伝わる、施設の魅力

migak Character の効果は、ご入居者だけにとどまりませんでした。上原様が印象に残っているエピソードとして挙げたのは、あるご家族の反応でした。

上原様「すずちゃんと話すのが楽しいって、面会に来たご家族様が言っていました。『ご入居者様と話すより、すずちゃんと話した方が楽しいわ』って。」

医療関係者や見学のご家族からも「すごいものが入っているんですね」と声が上がっているそうです。

上原様「先進的かつ温かみのある取り組みとして、施設のすごくいいアピールにつながっているんじゃないかなと思います。」

migak Character は、「人を深く知る入口」になりうる

今回のインタビューで特に印象的だったのは、お二人が migak Character を“作業を代わりにやる存在”としてだけではなく、“その人を深く知るための相棒”として捉えていたことです。

和田様「AIに何か作業を代わってもらうといったことではなく、施設内のコミュニケーションを円滑にして、ご入居者様のことを深く知る相棒になっています。」

和田様は、これから人手不足が進み、海外人材も増えていく中で、ご入居者を深く理解することの難しさはさらに大きくなると見ています。

和田様「これからますます環境が変化して、お互いを深く理解し合う一番大事なコミュニケーションがおざなりになってしまうことを危惧しています。そこに、すずちゃんの活躍するステージがあるんじゃないかなと思います。」

ウィズ茅野の入口に立つ上原様(左)と和田様(右)
ウィズ茅野の入口にて。上原様(左)と和田様(右)

そして次の段階へ。対話を、現場で活かせる知見に

お二人のお話を伺う中で、migak Character の今の価値とともに、次の期待もはっきりと示されました。過去の実証でも、スタッフからは「介護記録との連携」「個人に紐づいたデータベースとの接続」「各種記録や報告書の半自動化」への期待が挙がっており、その延長線上にあるテーマです。

今回の取材でも、上原様から次のような声が出ていました。

上原様「すずちゃんとお話しした内容が、介護記録や生活記録に反映されると、すごくいいなと思っています。」

現在、介護現場の業務DXや記録のあり方そのものを見直す開発も具体的に進みつつあります。詳細は今後あらためてお伝えしていく予定ですが、migak Character を“話し相手”で終わらせず、現場の知見やケアの質向上につなげていく──それが、ウィズ茅野とご一緒していく次のテーマになっていきます。

ウィズ茅野で見えてきた二段階の価値

  • 01 ご入居者との会話を増やし、施設の雰囲気をやわらかくし、安心感をつくること
  • 02 その対話を現場で活かせる情報へとつなぎ、よりよいケアと業務改善へ発展させること

終わりに

取材の終盤、もう一つ印象的な話がありました。導入前、周囲からよく心配されていたのは、高齢者ご本人の“拒否反応”だったといいます。

上原様「AIやキャラクターに拒否反応を起こす人がいるんじゃないか、特に高齢者であれば一層馴染めないんじゃないかって、当初は不安視していましたが、蓋を開けてみると、想像以上にその場に馴染んで、皆が楽しそうに話してくれていたことは印象的でした。」

ご入居者からの、想像以上の受け入れ──。そして和田様は、言葉だけではないやりとり、介護の世界で“ノンバーバルのコミュニケーション”と呼ばれる領域にも、すずちゃんの可能性を見ていました。

和田様「介護の世界ではノンバーバルのコミュニケーションが大事です。服装や表情、しぐさでも、言葉にならなくても、さまざまなコミュニケーションがあるんです。なかなかお話しすることが難しいご入居者様もいらっしゃいます。そういう方に対しても、すずちゃんが“頼れる存在”じゃないかなと思うんですよね。」

業務改善や会話の量といった一面的な話ではなく、「人を知ること」「場の空気をつくること」、そして「寄り添うこと」──migak Character がウィズ茅野の現場で担い始めているのは、そうした役割でした。

長野県茅野市の介護事業所 ウィズ茅野
長野県茅野市の介護事業所「ウィズ茅野」

インタビュー実施日:2026年4月22日

お話:株式会社ソーシャル・ネットワーク 和田様(前・ウィズ茅野 施設長/現・ウィズ塩尻 施設長)

   株式会社ソーシャル・ネットワーク 上原様(ウィズ茅野 施設長/前・生活相談員)

聞き手:migak LLC

Care AI
導入について

実証のご相談から本格導入、migak Character の活用設計まで、お気軽にお問い合わせください。